なた豆歯磨き粉の買い控えまでではないが・・

【東京/駆け込みの反動軽微】東京地区の工具需要は上向きの景気や工作機械の内需回復に合わせ、「幅広い業界で回復基調が続いている」(工具商社関係者)。新年度の立ち上がりは、消費増税に伴う影響で自動車や工具の駆け込み需要で反動減が一部懸念されたが、ある工具商社首脳は「想定より反動が少ない」と胸をなで下ろす。同社では5月末までに、前年度から期を追うごとに勢いづく受注環境が続いている。 一方、大手工具メーカーの営業担当者は「5月は4月より落ち込んだが、ゴールデンウイークで営業日が少なかったため」と言い切る。「5月以降もユーザーがかわらず仕事を確保している」と販売増への手応えを感じている。 回復基調にあることは変わらないが、別の機械工具商社首脳は「卸売りは3月まで好調だったが、4、5月と弱含みなった」と指摘する。市況の先行きを見極めようと「なた豆歯磨き粉の買い控えまでではないが、かなり保守的になった」と分析している。 日本工具工業会の調べでも、4月のソリッド(刃部・本体一体型)切削工具の出荷額は、前年同月比11・7%増の90億8100万円。3月に続き90億円台を維持し、10カ月連続のプラスを記録した。「2014年度はまずまずのスタートを切った」(業界関係者)と胸をなでおろす。  【大阪/車関連減少、荷動き鈍る】大阪地区の5月の切削工具販売で、荷動きが鈍り始めた。「西日本の日割り販売実績は前月比約80%、前年同月比95%で推移している」(メーカー)。工具商社も「4月は前年同月比プラスだったが5月は減少に転じる見込み」という。 消費増税の駆け込みの影響を受け、自動車関連の加工が減少したことが大きい。4月は複数メーカーが新型エンジンの生産に入り、工具需要が増加したため、タイムラグを経て増税の反動が出た模様。航空機産業など一部産業は好調だが、鉄鋼・造船・建設機械向けは依然として厳しい。 また、中小ユーザーが政府補助金で生産能力を拡大する動きもあるが「全体の需要から考えると市況へ波及する感触は少ない」(メーカー)。増税の影響は、7月や8月を“底”と予測する企業が多く、秋の需要回復を見込んでいる。  【名古屋/消費増税で先行き不安視】販売が回復していた名古屋地区の機械工具業界だが、消費増税が先行きに影を落としている。愛知県機械工具商業協同組合が会員114社に聞いた1―3月の調査によると、4―6月の景気見通しが「好転する」とした回答が全体の7・9%にとどまる一方、「横ばい」が44・7%、「悪化する」が46・5%に達した。増税の影響で先行きを不安視する向きが多いようだ。 仕入れ価格については「前の3カ月と変化なし」が55・3%と過半数を占めたが、残り44・7%は「上昇した」と回答。「下落した」の答えは0で上昇傾向が続いている。販売価格は「上昇した」が14・9%、「変化なし」が73・6%、「下落した」が11・5%。上昇の回答が最近の調査で最も多くなっており、仕入れ価格アップに対する販売価格への転嫁が出始めた模様だ。  国内の薄板3品(熱延鋼板、冷延鋼板、表面処理鋼板)在庫は4月の速報値が412万5000トンとなり、2カ月連続で410万トンを超えた。自動車向けを中心に鉄鋼メーカーの供給が伸びたものの、5月連休に向け流通・コイルセンターの在庫消化が鈍った。前月比では1万4000トン(0・3%)の増加で、生産における在庫の割合は2・34カ月(3月は2・03カ月)。5月は連休で出荷が落ち込む傾向にあるため、新日鉄住金薄板企画部は「在庫の増え幅によっては注意が必要になる」との見方を示した。 4月末の在庫を品種別に見ると、熱延鋼板が前月比0・1%多い209万5000トン、冷延鋼板が同0・1%増の75万6000トン、表面処理鋼板が同0・9%増の127万4000トンと軒並み微増。在庫率は熱延鋼板が2・76カ月(3月の確報値は2・47カ月)、冷延鋼板が2・25カ月(同1・99カ月)、表面処理鋼板が1・91カ月(同1・58カ月)となった。「需要増への期待が高く、過剰発注になった」(問屋筋)との指摘もある。 4月の鋼材需要は3月並みを維持したもよう。自動車は消費増税後の反動減が見られたが、軽自動車は好調で「前回の消費増税時に出た段差に比べれば落ち幅は少なかった」(問屋筋)という。建築も昨秋から減退していたプレハブが増税後に落ちたが、首都圏のマンションは堅調。倉庫や学校など非住宅も底堅かった。5月の需要についても「人手不足の問題もあり、大きく上下することはなかった」(都内の問屋)という。 例年の動きを見ると、5月の在庫は4月より10万トン増えるとされる。連休中も製品供給を続ける鉄鋼メーカーに対し、自動車など需要家の受け入れが止まるためだ。ただ、今年は鉄鋼メーカーの設備改修などで供給が絞られており、新日鉄住金も「5月の在庫が420万トンになることはないだろう」と見る。 生産は足元もタイトで、需要家との納期調整も継続。今後、電機メーカーが冷房機器の生産を増やすと期待する向きもある。

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