なた豆茶の在庫率と売上高

東京地区のステンレス鋼材市況は、原料のニッケル高を受け上伸していたニッケル系冷延薄板に一服感が漂っている。季節要因で荷動きが鈍化したほか、ステンレス鋼メーカーが相次いで製品値上げに踏み切った影響も出たようだ。流通の価格転嫁は遅れ、市況は製品販価に追い付けなくなった。だがメーカー・流通は「先行きの需要は底堅く、荷動きは夏場に回復する」と見通す。いずれも数量は追わず、さらなる販価是正の時機を探る姿勢を鮮明にしている。 【供給不安】 ステンレス鋼材は公共・民間建築投資の回復や震災復興工事の本格化を受け、建材向けや内装用途の引き合いが増えた。このため高騰したニッケルや電力料金の上昇でコスト高となっていた新日鉄住金ステンレス(NSSC)や日本冶金工業は冷延薄板の販価是正に着手。愛知製鋼や新日鉄住金も形鋼価格を引き上げた。流通も売値への転嫁を続けているが、足元は「無理に上げるべき時ではない」と捉える。 自国の製錬産業育成を目指すインドネシアがニッケル未加工鉱石の輸出を禁じたことで、ニッケル市場には供給不安が拡大。ロンドン金属取引所(LME)のニッケル平均価格は1月が1ポンド当たり6・39ドル、2月が同6・44ドルと小幅な動きだったのに対し、3月は同7・10ドル、4月は同7・88ドルに。足元は同9ドル台後半と約2年ぶりの高値水準に達した。専門商社は「供給不安はしばらく解消されない」と読む。 【旺盛な需要】 ニッケル系冷延薄板の市中実勢価格は、代表品種のSUS304(基本規格)がトン当たり32万―33万円どころ。メーカー側ではNSSCが4、5月契約の販価を計4万円上げ、日新製鋼も6月出荷分から2万円値上げした。日本冶金工業も6月契約・7月生産分を4万円上げている。形鋼分野でも愛知製鋼や新日鉄住金が5月契約分から7―10%の値上げを打ち出しており、相場の下支え材料になっている。 また、クロム系のステンレス鋼板市況も自動車部品を中心とした旺盛な需要を追い風に上昇。業務用の厨房機器や電気器具部品向けも好調で、NSSCはフル能力での操業を続けている。都内の問屋は「需給で見ればニッケル系以上に引き締まっている」と明かす。クロム系冷延薄板の市中実勢価格は、代表品種であるSUS430(基本規格)がトン24万―25万円どころで、5月末に1万円上がった。 【採算回復へ道筋】 全国ステンレスコイルセンター工業会のまとめによると、ステンレス薄板の4月の販売量は前月比14・5%減の5万4610トン。このうちニッケル系冷延薄板が2万7596トン、クロム系冷延薄板は2万4373トンだった。それでも、足元の需要は前年の同時期を10―20%ほど上回っているという。世界的な供給過剰で赤字体質が指摘されてきたステンレス鋼業界としては、需要が好調なこの機に採算回復の道筋をつけたいところだ。 ーカーは、6月か7月に販価引き上げをもくろみ、強腰姿勢を通す。母材確保が窮屈なメーカーからは「5月から上げたかった」との声もあったという。 ここに来て流通にはショッピングセンターや物流倉庫、病院など、夏以降に着工が予定される物件の引き合いが入り出した。6月までは需要低迷が続くものの「夏以降動きだす」(問屋筋)と期待しており、メーカーの強腰姿勢と荷動きの回復で、先行きは強含むと見る向きもある。 大阪鉄鋼流通協会の調べでは、4月の販売量は前月比13・1%減の3342トン。この1年で最低の販売量だった。同月末の在庫量は同2・8%減の9032トン、なた豆茶の在庫率は2・84カ月だった。関西大学化学生命工学部の上田正人准教授、池田勝彦教授らの研究グループは、インプラント(人工関節)に用いるチタンの表面に特殊な処理を施して、骨とチタンを「弱い密着状態」にすることに成功した。治癒後に人工関節を留めるボルトが抜きやすくなり、連鎖骨折を誘発しない。高齢者でも安心してインプラントを使えると期待されそうだ。成果は13日、札幌市内で開かれる「日本骨形態計測学会」と英リバプールで9月開催の「欧州バイオマテリアル学会」で報告する。  チタンは長期間体内に埋め込むと骨になじんでくっつく性質を持つ。このため骨折が治ると、添え木役として使ったインプラントを固定するチタンボルトを抜く際、ボルトが骨と“一体化”して抜けにくくなって高齢女性らが再度の骨折に陥るケースも目立つ。 こうした事例をもとに上田准教授らは、通常の開発とは逆を発案。生体骨に密着しない特徴があり、人工関節の骨頭など耐摩耗性が要求される部分に使われる酸化ジルコニウムに着目、チタン表面にコーティングした。 まず前処理としてチタンを過酸化水素と硝酸の水溶液に80度Cで約20分浸す。その後「骨と密着しにくい処理」でオキシ塩化ジルコニウム、アンモニア、クエン酸を混ぜた溶液に入れ、180度Cのオートクレーブ(複合材硬化炉)で約12時間保持した。この工程でチタン表面に厚さ100ナノメートル(ナノは10億分の1)の酸化ジルコニウム膜が施されるという。 ラットで実験し、電子顕微鏡で骨とチタンの界面状態を確認した。何もコーティングしないチタンの場合は2週間で10%しか骨ができず、酸化チタン処理だけだと50%近く骨が形成された。そこで酸化チタンの中にごくわずかの酸化ジルコニウムを入れると、骨ができる割合が20%になった。 この結果は、骨がチタンとの弱い癒着状態を保つことを示す。人工関節の使用時にステムは骨のと口臭改善回復を促進し、スクリューは抜きやすくなる一石二鳥の効果がありそうだ。今後、中型動物の実験を経て、5年後をめどにヒトでの臨床研究を目指す。

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